新・読み書き算盤 the three R's 识字写算 чтение, письмо и арифметика
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    外国語の音韻に関する表

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    ■ 英語の音韻について

     英語が苦手になる一因は、音と綴りの関係がごちゃごちゃしていることである。ある程度の規則性はあるものの、やはり一語ごとに確認しなければならない。しかも、それが学び始めた最初から試験問題に出されるのだから、これはたまらない。ともかくも「正しい綴り」を覚えておかないと×になる、というのは酷である。
     そこで、ローマ字を習うから混乱するので、英語を学ぶためにはローマ字の学習はしないほうがよいという主張まで出てきてしまう。 これでは、ローマ字(ラテン文字)も浮かばれまい。
     もともとローマ字(ラテン文字)は、ローマの言葉であるラテン語を記述するために使われてきた文字である。偶然ではあるが、母音が「aiueo」の5つあったことが、日本語の「あいうえお」と共通であった。スペイン語やポルトガル語も、やはり母音は「aiueo」の5つである。
     ところが英語は、このラテン文字を借りて、自らの音を書き表そうとした。先輩の文字を借りようとしたが、どうしても無理が生じてくる。借り着だから、寸法が合わず、継ぎ足しをするようなものである。
     単語を4つ並べて、「アクセントが置かれる母音が他と異なるものが1つある。それを選べ」というような問題が、今日でも延々と続いている。スペイン語では、こんな問題はありえない。文字が同じなら同じ音、文字が異なれば違う音と決まっているからだ。
     日本人が英語を学び始めた江戸時代、今から200年前の苦労は、吉村昭著『海の祭礼』によって知ることができる。最初、オランダ人の医師からオランダ語読みの怪しげな英語を学んだ時から、その苦労が始まり、爾来200年間絶えることなく続いている。   一方、英語に言わせれば、「ラテン文字を借りるしかなかったのでやむをえないことだ」ということかもしれない。確かに、日本だって漢字を借りて自分の都合に合わせて「訓読み、当て読み」をしているわけだから、それと同じことかもしれない。

     そこで、視点を変えて、文字ではなく、英語の音の仕組みを調べることから始めてみた。文字は借り物なので、後回しにするということである。

     


    松下村塾(山口県萩市)
     

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